購人価格が償還価格を下回っているときは,単利の方が利回りは大きくなり,逆に購入価格が償還価格を上回っているときは,単利の方が,小さくなります。
購入価格が100より小さい場合をアンダーパー,100より大きい場合をオーバーパーといいます。
また,ちょうど100の場合をパーといいます。
この表現を使えば,通常償還価格は100ですから,オーバーパーの時は単利の方が利回りは小さく,アンダーパーの時は単利の方が利回りは大きく計算されます。
参考までに,それぞれオーバーパーの時と,アンダーパーの時に単利,複利で債券の利回りがどのようにするか満期1年から10年まで計算しグラフ化してあります。
債券の年限が長くなれば長くなるほど単利と複利の差が大きくなるのは,年限が長いほど時間の概念の与える影響が大きいからだと考えられます。
単利は満期までの間,再投資については金利がoであるという前提で利回りを計算しているのと同じですから,20年,30年という満期の長い債券を考える時は,通常の金利情勢下では複利を用いた方がより正確といえます。
最後に,利回りを比較するときは,単利を使うにしろ,複利を使うにしろ,どちらか一方に統一して使うべきで,決して両方が混在する形で比較しないことです。
次に,応募者利回りの話をしましょう。
債券を購入した時から償還までの利回りが,最終利回りです。
これは,通常既発債マーケットで債券を購入した場合の償還までの利回りです。
応募者利回りというのは,計算式は全く同じなのですが,最終利回りの購入価格のところに応募者価格を入れて計算したものということができます。
応募者価格というのは,通常債券が発行される時に使われる発行価格と同じで,債券が発行される時に投資家が債券を購入する価格です。
さあ,次は所有期間利回りの話です。
所有期間利回りという概念は,読んで字のごとくある債券を所有していた間の利回りということになります。
では,いままでの最終利回りや応募者利回りとどう異なるのでしょうか。
結論からいえば,最終利回りの償還価格のところに転売価格を入れればよいということになります(137頁の複利の最終利回りの計算式でMの部分に転売価格を入れる)。
つまり,購入から転売までのキャッシュフローをベースにIRRを計算したものということができます。
また,単利であれば,計算式の償還価格のところを転売価格で置き換えればよいわけです。
さあ,概念も計算式もわかりましたが,所有期間利回りというのはいままでの利回りと実は基本的に異なる点もあります。
最終利回りにしろ,応募者利回りにしろ,計算をする時点ではあくまでも予想の利回りにすぎません。
ところが,所有期間利回りというのは転売した後に計算する利回りですから投資結果としての利回りとなります。
したがって,予想利回りではなくて確定ベースの利回りになります。
ファンドのパフォーマンス計算については,いろいろな方法がありますが,基本的にはこのような所有期間利回りを応用して計算するものとお考えください。
2金利との関係さあ,いままでは金利は動かないという静的(スタティッ列な世界でしたが,この節から現実の世界により近い動的(ダイナミック)な世界に移行します。
いままでも説明してきた通り,相場の世界というのは「一寸先は闇」の世界ですから,金利の動きが的確に予想できる世界というのは有り得ないわけですが,もし仮に金利の動きが的確に予想できるとすれば,いままでの議論はかなり異なったものになってくる可能性があります。
彼らはそれに答えなければならないから、必死になって勉強し出すんです。
融資や営業が、みるみるうちにおもしろくなってくる。
顧客との話の仕方から、基準もわかってくる。
メーカーが特にそうですが、社長といったトップが必ず現場を見て回るだけでどんどんモラルが上がって生産効率が上がるというのが最新の経営手法で、それと同じやり方ですね。
そのうち、営業に回っている女性たちから「支店長は男の人とは外回りしても、私たちとは行ってくれない」という声が聞こえてきたんで、一緒に回るようにしました。
高田馬場は狭い街だから、「あの支店長はよく歩いている」と余計に評判になり、みんな喜んでくれるんですね。
支店長にとってのリスク実際は、支店長が外に出ない、引きこもりのような状態になっているケースが多すぎるのではないですか。
支店長がリスクを取りたがらなくなり、トラブルになっても出ていかなくなっている。
例えば支店長が出かけていって要注意先から「融資してくれ」と言われたら、その場で即答できないといけない。
そういうのを嫌がって行かなくなり、少し心配な融資先などは、全部部下任せでしょう。
だから、結論がどんどん先送りになっていくわけです。
支店長はせいぜい優良な顧客のところに行って、ゴルフの話をするぐらいで帰ってくる。
私の場合、父親がカネで苦労した経験もあって、できるだけ銀行の方から出かけようという気持ちになるんです。
だから要注意先でも、部下から「こんな先でも行ってくれるんですか」というような会社にもどんどん出かけていきました。
そこで、カネを貸してくれと言われても「ダメです」と二言はっきりと言って理由を説明してあげる。
「じゃあ、どうすればいいんだ」という前向きな話がそこから始まり、「こういうところを直したらどうですか」とこちらも言える。
支店長が部下と一緒に顔を出して、相手先と相談する。
こういうふうにやっていくと、もちろん潰れるしかないところもあるけども、大半の会社は良くなっていくんですよ。
ところが部下に任せきりだと、相手先の社長から何を求められても結論が出せないことになる。
ただ、それは支店長として相当なリスクを取ることになりませんか。
たしかにそうです。
私は要注意先ばかりでなく、新規の取引先も担当者と一緒に飛び込みでもの凄く取ったんですよ。
だから監査役などからは、「あまりリスクのあることはしないでくれ」と怒られましたね。
傷つかないようにという配慮だったとは思います。
でも、いつも思うんですが、銀行員はもつと自信を持っていいし持つべきだと。
かなりいい給料を貰っている以上は、その相手先がいい会社か何とかなる会社か、また自分が負うリスクについても判断できなければ本来おかしいでしょう。
支店に行くとよくわかりますが、取引先は地場産業的な地域に密着している会社が多いわけです。
ある大口の取引先もそうで、社長さんも街の名士です。
そうした会社に対してきちんとした判断もなしに無慈悲に接したり、処理したりすれば、街全体からこの銀行、支店は要らないと思われかねない。
だから、その会社を何としてでも再建させようというのが支店長としてのひとつの目標でした。
須田一方で、みずほの統合準備が進んでいくわけですが、支店からどのように見ていましたか。
具体的な影響という点では、エリアが重なっている富士銀行の支店との間で取引先の取り合いになるわけです。
顧客の意向などは全く関係なく、九九年三月末の時点で融資残高が多い支店が引き継ぐというルールになった。
ところが両行お互いに、優良な会社は自分のところで取りたいということで、もう統合が決まっているのに相手には内緒で急に貸し増ししたりする。
不必要な貸し出しですよ。
逆に業績の悪い会社は相手に押しつけようとしたり、そんなことばかりやっていたというのが実状でしょう。
支店の意向とは関係なく、本部の方針もありますし、皆、必死だったのでしょうね。
私も結構大変な思いをしました。
幸い、隣の富士銀行の支店長はバランスのとれた人で理解し合いましたね。
いずれにしろ統合するというのに、現場でも不毛な無駄なケンカに二年間も費やしたんです。

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